大人の絵本★Iwill著者の書評   

大人の癒し絵本I will…ご紹介

   大人の絵本★Iwill著者の書評

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■著者からの書評■
大人の癒し絵本Iwill表紙  皆さんは何気なく見かける大きな木を見て、「あの木は最初から、あんなに大きな木だったのかなぁ」と思ったことはないでしょうか。

 もちろん、そんな木は存在しません。どんなに大きな木でも最初は小さな葉をつけて、とてつもなく長い年月をかけて、太い幹になり、葉を茂らせ大きくなったはずです。もちろん、その長い年月の間にはいろいろなことがあったはずです。すくすくと順風満帆に成長したとは限りません。

 成長に必要な水や光が不足したこともあったかもしれません。逆に必要以上にそれらを注がれたこともあったかもしれません。  また、道を歩いていて、アスファルトやコンクリートのほんのわずかな隙間からたくましく生きている雑草を見て、なんでこんなところに植物が…などと思ったことはありませんか?

 そうした植物は、誰かが種を蒔いたわけでもなく、誰かが水をやったり世話しているわけでもありません。もちろん、そんな隅っこで生きている植物に、誰も注目などするはずもありません。ときには通行人に踏まれてしまうこともあるでしょう。無邪気な子どもが面白半分でむしりとってしまうときもあるかもしれません。それでも、何度でも芽を出して、葉をつけて、たくましく成長しようと努力しています。

 そう考えて見ると、誰が世話をしたわけでもないのに、厳しい自然の中で生きていく木や植物は何と強靭な生命力を持っている…と思いませんか?この「I will…」は、そうした木をモチーフにして、懸命に生きる人を応援する絵本です。 芽を出し、1枚の葉をつけて、やがてその葉は何枚にもなり、徐々に幹も太くなり木は成長します。しかし、決して悪気があるわけではないものに踏み潰されてしまいます。もちろん、誰かが治療してくれることもありません。その植物はまた芽を出し、1枚の葉をつけ、成長していきます。しかし、子どもたちに無残にもむしりとられてしまいます。何も知らない無邪気な子どもにもきっと悪気はないのでしょう。

 それでもその植物は生きます。懸命に生きて、大きくなれば、さらに大きな障害が立ちはだかります。そしてまた踏みにじられます。何度も何度も同じような目に遭います。それでも植物は成長します。 雨も降ります。強い風にもさらされます。雪に埋もれてしまうときもあります。植物の成長にとって不可欠な太陽の光も、ときには容赦なく注ぎ、水分が失われ、すっかり乾いてしまうときもあります。それでもがんばって成長しようとします。いったい何が目的なのでしょう。誰が見てくれているのでしょう。それでも木は大きくなろうとします。

 今は厳しい時代で、懸命に働く人でも、勤勉に努力してきた人でも、ある日突然リストラされたり、会社が倒産してしまったり、理不尽な仕打ちを受けたりする、まさに何があっても不思議ではない殺伐とした時代です。
 そして、そんな中で生き残るためには平気で人の足を引っ張り、自分さえよければいい…と、自己保身に躍起になり、人を思いやる気持ちも失われてしまったのだろうかと思えるようなことも多々あります。

 そうした自己中心的な考えが、自分にとって邪魔な存在を潰します。例え、その存在が本当は大切なことであろうが、評価すべきことであろうが、邪魔なものは排除します。「出る杭は打たれる」という格言を徹底的に実行し、何度出ても徹底的に打ちます。それでも出ようとすれば、さらに大きな力で打ちつけます。出口をふさいでしまおうとまでします。

ページ1 この「I will…」には、あらすじらしいものはありません。成長しては潰される植物を通して、詩のように簡潔な文章が添えられているだけです。言いたいことがある…それをある意味では心の奥底に封じ込んで、ひたすら淡々と木の成長、そして挫折、季節の移り変わりを絵で表現し、短い文章で表現しています。

 そして大きく成長した木の下でくつろぐ人、遊ぶ子どもが描かれ、ラストシーンは月明かりに照らされた大きな木が描かれています。「いつかきっと、きっといつか、大きな 大きな 木になる」…そしてお話は終わりです。

 表紙に描かれていた芽を出したばかりの弱々しい植物は、とてつもなく長い年月をかけてラストシーンに描かれた大きな木に成長したのでしょうか?それともそれはまだまだ小さい植物の「夢」なのでしょうか?

 どう解釈するかは、お読みになる人にお任せしたいと思います。著者としては、あえてその結果を決めつけてしまうよりは、読んでくださる人それぞれで、解釈してもらえればと思います。 絵本…というジャンルでいうならば、やはりどちらかというと「大人の絵本」ではないかと著者としては思っています。もちろん、絵本には子どもと大人の区別はないものだと思っていますので、限定するつもりはありませんが。ただ、もしかすると読む人によっては、非常にネガティブな重い内容の絵本と感じられるかもしれません。確かに人生が絶好調で、やることなすこと全てうまくいって、まさにバラ色の人生を送っている人にとっては「なんてネガティブな作品だろう」と思うかもしれません。

大人の絵本I will…見開き

 しかし、この絵本は決してネガティブでもなく、重くもないのです。むしろポジティブな作品なのです。何度も表記されている「負けない」…という言葉がそれを表しています。「成長する」という言葉がそれを表しています。確かに世の中にはラッキーな人…は存在します。まさに順風満帆な人生を送っている人もいるでしょう。でも、果たしてそういう人には本当に「悩み」もなければ、「挫折」「絶望」はないでしょうか?

 人は生きていく過程で、誰でも何らかの壁に突き当たります。もちろん、その壁の大きさや厚さは人それぞれです。とてつもなく大きな壁をクリアーしてきた人からすれば、今自分が突き当たっている壁など、壁とすら呼べないちっぽけな問題である場合もあるでしょう。 しかし、そうした壁の大きさや厚さが問題なのではなく、その人が自身の前に立ちはだかった壁をいかにクリアーして生きていくかが重要です。

 この絵本の著者は、この作品を生み出す「挫折」を味わいました。「屈辱」を味わいました。が、それが果たして周囲から見れば「挫折」「屈辱」と表現することが適切なのかはわかりません。「よくあること」かもしれません。ですからここで作品を生み出すきっかけとなった体験談を記すつもりは毛頭ありません。そんなことはまったく無意味です。

  大切なのは、いかに立ち上がるか、ということではないでしょうか。遭遇してしまったことが「不運」であっても、それをいかにプラスに変えていくかが重要ではないでしょうか。そして、その変換はその人にしかできません。決して周囲がやってくれることではありません。自分自身で立ち上がらなくてはいけないと思うのです。

 「いつかきっと、きっといつか…」このフレーズはこの作品の大きなテーマでもあります。絶望感に包まれても、プライドを踏みにじられても、屈辱を味わっても…それでも懸命に歯をくいしばって…こう書くと、何やらやたら力んだ「根性論」「精神論」のように思われてしまうかもしれませんが、そうではなく、「いつかきっと、きっといつか」という、言い換えれば「夢」「希望」を持ち続けることが大きな主張なのです。

ページ2 もしかしたら、それでも「夢」や「希望」は実現しないかもしれません。しかし、それはあくまでも自分自身の判断での結果であったり、周囲の評価による結果なのではないでしょうか。少なくとも悲しみや絶望や挫折に落ち込んでいるよりも、「夢」「希望」を持って前進したこと、しようとしたこと…ただそれだけでも素晴らしい結果は出たと言えるのではないでしょうか。

 「あとがきにかえて」という著者の文章が最後に書かれています。ここには、それまで押さえに押さえていた著者の「心の叫び」が集約されています。何となく著者がこの作品を創造した「体験」が見え隠れしているフシもありますが、決してそれを第三者にわかってほしい…と訴えているのではありません。

 確かに、前述の通り、人の足を引っ張ることを生きがいにしているような悲しい人間も存在するでしょう。身分や地位ばかりに執着する人間もいるでしょう。組織内での自分と1個人としての価値を勘違いしている人間もいるでしょう。しかし、それはそれ…なのです。そうした自分にコントロールできないことにイライラしたり、ストレスを感じるのは実に無駄な労力です。

 この「あとがきにかえて」で、著者が言いたかったことはあくまでも「いつかきっと、きっといつか…」という「夢」「希望」を持ち続け、自分自身を大きく成長させるために頑張りましょう!ということなのです。激励なのです。もちろん、それは著者自身をも含めてのエールではありますが。 前述しましたが、大人対象の絵本のイメージが強い作品ではありますが、もちろんお子さまでもきっとがんばって成長しようとする木の姿、繰り返される「負けない」という言葉に何かを感じ取ってくれるのではないかと思います。まったく無名の著者作品ではありますが、この機会に是非お読みになっていただければと思います。

 Dreams come true…いつかきっと、きっといつか…元気を出して頑張りましょう!

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